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歯と全身の健康の関係

口腔の健康が全身の健康に与える影響は予想以上に大きいことをご存知でしょうか?
歯科は一般に、「虫歯を治療するところ」、「歯周病を治療するところ」、「入れ歯を作るところ」、「歯を抜きに行くところ」と、限定的なイメージがありました。
しかし、百年前からすでに「歯の十徳」という標語があるのをご存じでしょうか?
- 健歯保長寿
- 健康な歯を守って生活すれば、寿命が長くなる。
- 完歯全咀嚼
- すべて健康な歯であれば、あらゆる食べ物を咀嚼することができる。
- 壮歯盛気力
- 健康な歯を持っていれば、何かをやり抜く精神力が充実する。
- 唇歯顎発音
- 唇と歯は、発声を調節し顔の表情をつくる。
- 工歯整乱生
- 治療した歯は、「乱れた歯並び」を整え「美しい歯並び」に生まれ変わる。
- 咬歯表美人
- しっかり咬むことができる歯を持つことは、美しい人の条件である。
- 強歯適噬啐
- 力強く咬める歯は、あらゆる食べ物を咬み切ることができる。
- 密歯防外気
- 歯がたくさんあれば、外からのあらゆる病気から身を守ることができる。
- 義歯補胃腸
- 義歯を使えば、胃腸の働きを助け美味しい食事をとることができる。
- 飾歯麗容貌
- 歯をしっかり治療すれば、容姿は魅力的で美しくなる。

この10年で口腔と全身の関連を検証する研究がいくつも行われるようになりました。今まで、経験的に言われていたことが、科学的に次々に明らかになっているのです。
「健歯保長寿」…歯のたくさんある人(残存歯数の多い人)と平均寿命の間には、明らかな相関関係があることが確かめられています。残っている歯が多い人ほど寿命も長いのです。歯や顎は内臓同様、生涯付き合う大事な体の一部であることを知っていただきたいのです。
当院の治療
- 糖尿病などの全身疾患を考慮して治療にあたります。
- 睡眠時無呼吸症候群、いびきでお悩みの方のスリープスプリント治療を、医科と連携して診療いたします。
- 薬の副作用を防ぐために、服用中の薬や既往歴を確認します。
- 多くの方へかかりつけの主治医あてに、病状確認のための診療情報提供書を用意します。
- かみ合わせの重要性を認識し、全身の健康を考えて治療します。
歯と糖尿病
私が糖尿病を重視している理由
私たちの身近な病気である糖尿病・がん・心筋梗塞・脳梗塞・誤嚥性肺炎が
歯科疾患と関連のあることがわかってきています。
特に、歯周病と糖尿病の関係は明確になっています。

近年、糖尿病と歯周病の因果関係に関する論文が多く報告されています。歯周病は、糖尿病の腎症、網膜症、神経障害、大血管障害、小血管障害に次ぐ「6番目の合併症」といわれています。
また、歯周病がある糖尿病患者では、歯周組織の微小血管障害、歯周組織の代謝の異常、免疫機能の低下、唾液の減少と口腔乾燥を発症する場合があります。
さらに、重度の歯周病は、虚血性心疾患、糖尿病腎症による死亡の予知因子となることや、糖尿病患者に対し歯周病の治療・管理を行うことにより血糖コントロールが改善したとの報告もあります。
相互に与える影響が大きいことが数多く報告され、両者に密接な関係があることが年々明らかになってきています。
歯科医師が、ここ30年で7倍に増加している糖尿病(推計700万人、予備軍を含めると1,370万人)を知ることは、安全な歯科医療を行う上で絶対条件になりつつあります。
- ポイント①
- 糖尿病患者は歯周病の罹患率が高く、特に血糖のコントロールが悪い場合は重篤な骨吸収を伴う歯周炎の併発例が多く認められます。
- ポイント②
- 病気を進行させるリスク因子として、「加齢」、「肥満」、「高血糖」、「糖尿病罹患期間」、「口腔内衛生」が挙げられます。
- ポイント③
- 歯周病の重症化や創傷治癒不全は、最終的に歯の喪失につながります。また、口腔内の症状として口渇や味覚異常等がみられることもあります。定期健診により早期に発見できることと、口腔の衛生と血糖と肥満の管理が大切なのです。
- ポイント④
- 歯周病が糖尿病を悪化させるリスクファクターとなる可能性も示唆されています。
例えば、歯周病治療によって歯周組織の炎症、口腔機能が改善した結果、グリコヘモグロビンなどの数値が改善する場合があります。
また、動脈硬化の進展には、軽微慢性炎症が関与すると言われています。歯周病はその要因としても重要です。
歯と睡眠時無呼吸症候群

「山陽新幹線居眠り運転事件」で話題になり、多くの国民がこの病気を知ることになった睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome )をご存知ですか?
気道の閉塞などが原因で、睡眠中に何回も呼吸が止まる病気です。
医学的には、睡眠中に1回10秒以上続く呼吸停止、あるいは低換気呼吸(ガス交換が効率良く出来ていない状態)が、1時間に5回以上あった時に、この病名が付きます。
このような状態が長年続くと、体内の酸素不足を招き、高血圧、心臓疾患、脳血管障害などにつながります。
また、眠りが浅く熟睡できないため、「日中の眠気」、「疲労感」、「集中力」、「記憶力の低下」、「精神不安定でイライラする」など、社会生活に様々な支障をきたしてしまいます。
睡眠時無呼吸症候群かも…とご心配な方は、是非ご相談ください。
当院の治療
歯科ではまず、スリープスプリントと呼ばれるマウスピース型のプラスチック製の器具を製作します。これを就寝時に装着し、原因となる舌根の落ち込みを防ぐという治療法です。持ち運びに便利で副作用が少ないことが特徴です。
スリープスプリントは、医科で睡眠時無呼吸症候群と診断され、歯科に依頼された場合に限り保険適応となります。
歯科医師は、病気の診断ができませんので、詳しくは担当医にご相談ください。
当院では、睡眠障害の専門クリニックであるグッドスリープクリニックの斉藤 恒博先生と連携診療しております。
いびきのメカニズム
いびきは睡眠中に起こるもので、なかなか自分では気付きにくいものです。
一人暮らしの方だと周囲が気になりませんが、家族や会社の旅行などでは周囲に迷惑をかけてしまいます。
いびきは鼻や喉などの気道(息の通る道)が狭くなり、振動して起こります。
原因としては次のようなものが考えられます。
- 花粉症やアデノイドなどの鼻疾患や咽頭部の障害
- 肥満によって首回りや舌が太い
- 顎が小さい骨格や、年齢による筋力の低下
- アルコールによる咽頭部の筋肉の緩み
- 疲労、過労
スリープスプリントを装着することで、いびきを減らすことが出来ます。
本来は、無呼吸の時間を減らすことが目的ですが、同時にいびきの減少につながります。
いびき防止用のスプリントは現在保険適応されておりませんので、自費治療となります。
歯と消化
歯の役割は?

歯の役割とは何か? 多くの方は、「食物を噛んで食べること」と答えるでしょう。
噛むことで…
- 食物を飲み込みやすく消化しやすい形にします。
- 食物と唾液を混ぜ合わせることで消化を助けます。唾液をたくさん出すことで、食物の味を引き出し栄養の吸収を良くします。
- 顎の周囲の筋肉や骨を発育させます。姿勢との関連では背骨を正しい位置に保ち、姿勢を良くします。
- 咀嚼筋の運動によって脳に刺激を与え、脳を活性化します。それは顔の表情を生き生きさせる効果もあります。
歯は、消化器の入り口にあり臓器の一部です。驚くほどたくさんの役割があり、全身に大きな影響を与えています。
美味しく食べられると感じる人の歯の数は、28本で100%、20~14本で75%程度あるのに対して、13~7本で30%以下と激減してしまいます。
健康な歯が口の中にたくさんあることが重要だといえます。そして、歯を失う原因の9割はむし歯と歯周病なのです。
歯と年齢
歯と寿命の関係

自然界の動物は、歯がなくなったときには食物を摂ることはできません。それは寿命が終わるときです。
歯と寿命は一緒です。
「井の頭動物公園の象の花子さん」をご存知の方も多いと思います。50歳を過ぎているそうで、歯は一本もありません。飼育員さんの助けなしに元気で生活するのはおそらく困難でしょう。
人は義歯、ブリッジ、インプラント治療で歯のないところを補って長生きしています。
一番大切なのは、自分の歯を一生涯保つことです。人の歯は、子供のころは、乳歯が生えていますが12歳過ぎると乳歯が抜け、永久歯に生え変わります。人生を80年と考えると、70年間永久歯を使い続ける必要があります。
年をとると歯がなくなるのでしょうか?年齢と残っている歯の数の関系を疫学調査すると、年齢とともに歯の数は少なくなります。しかし、年をとることが歯を失う理由ではありません。歯を失う理由は、虫歯と歯周病とかみ合わせです。
特に、歯周病は原因の大半を占めます。歯周病は、治療後に、しっかりと検診を続けることで歯の寿命を延ばすことが可能です。
8020運動
日本歯科医師会が80歳で20本歯を保とうという運動をしています。当初、80歳の方の平均歯数は5本でしたが、現在では平均10本に近づきつつあります。2005年では、80歳で20本歯のある方は、全体の23パーセントになっています。4人に1人が8020運動達成者です。
歯の数と高齢者の生活調査では、歯の数が少ない人ほど家にこもりがちになるそうです。反対にたくさん歯がある人ほど、元気に外出するそうです。
外出してたくさんの人と会って、話して笑える人生を多くの方が望んでいるのではないでしょうか?
まずは歯科医院で受診し、お口の健康状態を自分自身が知り、「歯の健康を守る生活」をしましょう。










